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2000年代に考えられていた2020年代

公開日 2026年10月9日最終更新日 2026年10月9日

イラスト: 2000年代に考えられていた2020年代
予測者日本政府(内閣のイノベーション25ほか)
予測された年1999〜2007年
予測の対象2020年代の社会
いまから見た総括まだ途中
当時の背景2000年代の日本政府は、2020年代の暮らしを、具体的な技術の年表で描いた。通信は実現し、個別の技術は、多くが目標の年に間に合っていない。

当時の予想

2007年に、政府の「イノベーション25」は、2025年の社会を見据えた代表的な例を20挙げ、それぞれに「技術の実現年」と「社会に普及する年」を付けた(2007年2月の中間取りまとめの内容を、内閣府のページで確認した)。

例として、家庭用のお手伝いロボット(2015年に実現、2023年に普及)、高速道路での自動運転(2012年、2020年)、同時翻訳の電話(2017年、2025年)、リニア中央新幹線(2011年、2021年)、新聞大の折り畳みディスプレイ(2015年、2023年)が挙がっている。

これより前の2001年1月には、「e-Japan戦略」が、5年以内に世界最先端のIT国家になる目標を示した。2004年12月には、総務省が「u-Japan政策」で、2010年までに世界を先導するユビキタスネット社会を目指すとした。

誰が予想したのか

日本政府(IT戦略本部、総務省、内閣府のイノベーション25)。

いつ予想されたのか

e-Japanは2001年、u-Japanは2004年、イノベーション25は2007年。

当時の社会背景

2000年代は、携帯電話でインターネットを使うiモード(1999年開始)が広がり、日本が携帯インターネットの先頭にいると見られた時期だった。国は、通信インフラと端末の次の姿を、具体的に描こうとした。

なぜその未来が予想されたのか

技術の進歩の速さを、年表の形で示せば、研究や投資の方向を示せる。目標の年を決めることが、政策の手段でもあった。

実際にはどうなったのか

  • 2007年に発売されたiPhoneに始まるスマートフォンが、携帯電話の主役になった。iモードは、2026年3月31日に終了した(2019年10月に発表)。
  • 2023年のスマートフォンの個人利用率は72.9%。2024年8月時点の世帯保有は90.5%(総務省)。
  • リニア中央新幹線: 2007年に「2025年開業」を目指す→2024年3月にJR東海が2027年開業の断念を表明、「早くても2034年以降」→2026年は、静岡県との協定が結ばれた段階(報道による)。
  • 家庭用のお手伝いロボット: 2026年10月の時点で、汎用の人型の家事ロボットは、一般の家庭に普及していない(#03 家庭用ロボットを参照)。

的中した部分

「いつでも、どこでも、誰でも、ネットワークにつながる」という方向は、実現した。携帯電話でインターネットを使うことが、日常になった。

外れた部分

リニア中央新幹線(2021年に普及の想定)は、2026年の時点でも開業していない。家庭用のお手伝いロボット(2023年に普及の想定)も、人型の汎用ロボットは普及していない。

想定されていなかった未来

iPhone以降のスマートフォンが主役になり、日本独自のiモードの端末(ガラケー)は、主役の座を降りた。2000年代の見通しには、この変化が含まれていなかった。

なぜ違いが生まれたのか

技術の「実現」と、社会への「普及」は、別の問題だった。法律、安全の認証、価格、サービスの設計が、年表の外にあった。

そこから次の未来を考える

では、次はどうなる? 2025年の時点で、その先の2030年代は、どのように描かれているのか。

この記事で確かめた予測

予測内容予測者予測年対象年結果
家庭用のお手伝いロボットが、2015年に実現、2023年に普及
汎用の人型の家事ロボットは、2026年10月の時点で一般の家庭に普及していない
イノベーション25(2007年中間取りまとめの例示)20072023外れ
リニア中央新幹線が、2011年に技術実現、2021年に普及
2024年3月に、JR東海が2027年の開業の断念を表明。早くても2034年以降
イノベーション25(例示)20072021外れ
高速道路での自動運転が、2012年に実現、2020年に普及
2026年10月の時点の実績は、この記事では確認していない
イノベーション25(例示)20072020判定不能
同時翻訳の電話が、2017年に実現、2025年に普及
実績は、この記事では確認していない
イノベーション25(例示)20072025判定不能
世界最先端のIT国家(高速網の整備など)
目標は示されたが、達成の評価は、この記事では確認していない
e-Japan戦略(IT戦略本部)20012006判定不能

出典・資料

  1. イノベーション25 代表的な20の事例(中間とりまとめ)(内閣府、2007年)
  2. 平成16年版 情報通信白書(e-Japan戦略)(総務省、2004年)
  3. 平成19年版 情報通信白書(u-Japan政策)(総務省、2007年)
  4. I-mode(Wikipedia)
  5. 令和6年通信利用動向調査の結果(総務省、2025年)
  6. 中央新幹線(Wikipedia(日本語))

では、次の未来は?

では次は? 2020年代のいまから、2030年代をどう描くか。

過去の予測は、公開されている資料に基づいて紹介しています。出典は「出典・情報源について」の方針に従って示しています。