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昔の未来、いまの答え。#03 家庭用ロボット

公開日 2026年10月9日最終更新日 2026年10月9日

イラスト: 昔の未来、いまの答え。#03 家庭用ロボット
予測者アイザック・アシモフ、カーン&ウィーナー、ビル・ゲイツほか
予測された年1964〜2007年
予測の対象家庭でのロボットの普及
いまから見た総括分野によって分かれた
当時の背景家庭にロボットが来る未来は、60年前から語られてきた。実際に先に普及したのは、人型ではなく、床を走る円盤型の掃除ロボットだった。

当時の予想

1964年に、アシモフは、2014年にはロボットが存在するが、普及もせず、性能も高くないだろうと書いた(原文は未確認で、二次資料による)。1967年のカーンとウィーナーは、2000年までに起こりうる革新として、家事・家屋維持の自動化、人や指示に従う機械の広い利用、家事を動かす家庭用コンピュータを挙げた。

2007年には、ビル・ゲイツが「A Robot in Every Home(どの家にもロボットを)」を書いた。韓国の情報通信省が、2013年までに各家庭に1台のロボットを目指していること、日本ロボット協会が、2025年にパーソナルロボット産業が世界で年500億ドルを超えると予測していることを紹介した。ゲイツ自身は、ロボットは身近になるが、「ロボット」とは呼ばれないかもしれないと述べた。

誰が予想したのか

SF作家のアイザック・アシモフ、未来学者のカーンとウィーナー、マイクロソフトの共同創業者ビル・ゲイツ、韓国政府、日本ロボット協会。

いつ予想されたのか

アシモフは1964年、カーンとウィーナーは1967年、ゲイツは2007年(Scientific Americanの再掲は2008年2月)。

当時の社会背景

1960年代は、産業用ロボットが工場に入り始めた時期で、次は家庭だと考えられた。2000年代は、パソコンが家庭に普及し、次はロボットだと見られた。

なぜその未来が予想されたのか

家事の負担を機械に任せたい、という願いは、いつの時代にもある。そのうえ、コンピュータが小さく、安くなれば、ロボットの頭脳も作れるという見通しがあった。

実際にはどうなったのか

  • 掃除ロボット「ルンバ」(米iRobot)は、2002年に発売された。日本法人の社長は、2025年8月に、国内の普及率は10%を超え、累計の出荷は600万台と話した(企業トップの発言で、公的な統計ではない)。
  • iRobotは、2025年12月14日に、米国の連邦破産法11条を申請した。再建案は、製造委託先のPicea Roboticsが株式を100%取得するというもの。
  • 人型の家庭用ロボット: 米国の1X社は、「NEO」を2025年10月28日に予約受付を始め、価格は2万ドル(または月額約499ドルの定額)。2026年に出荷する予定とされるが、2026年5月時点でも、家庭への出荷は確認されていない。日本向けの販売は、確認できていない。

的中した部分

アシモフの「ロボットはあるが、普及もせず、高性能でもない」は、おおむね当たった。単機能の家庭用ロボット(掃除ロボット)が普及する、というのも、実現した。ゲイツの「ロボットと呼ばれない形で身近になる」も、掃除ロボットを指すなら当たっている。

外れた部分

韓国政府の「2013年までに各家庭に1台」は、実現していない。人型の汎用の家事ロボットは、2026年10月の時点でも、一般の家庭に普及していない。

想定されていなかった未来

最初に普及したのは、人型ではなく、床を這う円盤型の掃除ロボットだった。

そのうえ、その本家であるiRobotが2025年に破産を申請し、中国のメーカーなどが市場を主導する構図になった。人型の家庭用ロボットも、遠隔操作の人間が助ける方式が報じられ、家の中をカメラ越しに見られるというプライバシーの問題が議論されている。

なぜ違いが生まれたのか

「人型で、何でもできる」ロボットは、技術的にも価格的にも難しい。「床の掃除」のように、目的を絞った機械が、先に実用になった。

そこから次の未来を考える

では、次はどうなる? 人型の家庭用ロボットは、いつ、日本の家庭に来るのか。

この記事で確かめた予測

予測内容予測者予測年対象年結果
2014年にロボットはあるが、普及もせず、高性能でもない
原文は未確認。Scientific Americanは、単機能の家庭用ロボットの予測は当たったと評価
アイザック・アシモフ19642014的中
家事・家屋維持の自動化、人や指示に従う機械の広い利用
2000年時点では限定的。その後に掃除ロボットなどが普及
カーン&ウィーナー『The Year 2000』19672000一部的中
ロボットは身近になるが、「ロボット」と呼ばれないかもしれない
掃除ロボットは普及。人型の汎用ロボットは未普及
ビル・ゲイツ2007(年の指定なし)一部的中
2013年までに各家庭に1台のロボット
一般の家庭に、汎用のロボットは普及していない
韓国情報通信省(ゲイツの記事による)2007以前2013外れ
2025年にパーソナルロボット産業が世界で年500億ドル超
市場の実績の数字を、この記事では確認していない
日本ロボット協会(ゲイツの記事による)2007以前2025判定不能

出典・資料

  1. Asimov's Predictions from 1964: A Brief Report Card(Scientific American、2014年)
  2. The Year 2000(転記ページ)(Herman Kahn, Anthony J. Wiener、1967年)
  3. A Robot in Every Home(Scientific American(ビル・ゲイツ)、2008年)
  4. ルンバの普及率に関する発言(アイロボットジャパン社長)(ITmedia、2025年)
  5. iRobot files for Chapter 11(The Register、2025年)
  6. NEO Home Robot(1X Technologies)
  7. 1X announces pre-order launch for NEO humanoid(The Robot Report、2025年)
  8. Home robots available in 2026(The Gadgeteer、2026年)

では、次の未来は?

では次は? 人型の家庭用ロボットは、いつ日本の家庭に来るのか。

過去の予測は、公開されている資料に基づいて紹介しています。出典は「出典・情報源について」の方針に従って示しています。

1960年代の未来予想